田中法律事務所 TanakaLawOfficeトップページへ戻る
当事務所案内 弁護士紹介 主な取扱い分野 法律Q&A 弁護士費用について
 
■お問い合わせなど
お問い合わせフォーム
アクセスマップ
 
■読み物・コラム
法律ひとくちコラム
 
■リンク・その他
法律お役立ちリンク集

■法律Q&A

 財産分与について

Q.弟夫婦に代わり、80歳の母の面倒をみることになりました。
   住んでいた家などの財産分与はどのようになりますか?


  父は既に亡くなっており、母は80歳です。母は弟夫婦と同居していましたが、弟は今年の8月に
 死亡しました。母は弟の妻とは折り合いが悪く、家を出て私が面倒をみることになりました。
  弟夫婦が住んでいた不動産は母の名義です。弟夫婦には子供が二人います。兄弟は弟と私の
 二人でしたが、将来、母が亡くなったときの相続はどのようになりますか。


A.お母さんが亡くなったときの相続人は、貴方と弟の子供二人の合計3人になります。そして法定
 相続分は、貴方が2分の1、弟の子供がそれぞれ4分の1づつということになります。弟の子供は
 代襲相続人と言って、弟がお母さんから相続すべきものを2人で分けるので4分の1づつになるの
 です。
  貴方としては、 弟の妻とお母さんが折り合いが悪く、お母さんが家を出ていき、貴方がお母さんの
 面倒を見るのに、弟の子供らが半分の財産を相続するのは納得がいかないかもしれません。
  弟の子供らの相続分を2分の1より少なくするためには、お母さんが遺言を書く必要があります。
  お母さんが、その財産を全て貴方に相続させるという遺言を書いたとします。しかし、弟の子供ら
 には遺留分という権利がありますので、子供らがこの権利を主張することがあり得ます。
  弟の子供らの遺留分は、それぞれ相続遺産の8分の1ということになります。2人分で4分の1
 です。
  遺言を書かないと子供らの相続分は2分の1ですから、遺言を書くとそれが半分になり、貴方が
 4分の3を相続することができることになります。
  また、遺留分は、お母さんが亡くなって貴方が全ての財産を相続するという遺言があることを弟
 の子供らが知って1年が過ぎると消滅時効により権利の行使をすることが出来なくなります。その
 ときには、貴方は遺言通りに全部の財産を相続することができることになります。
  お母さんに一度遺言のことを話されてみてはどうでしょうか。



 敷金の返還について

Q.引越しすることになり、修繕費用で10万円位かかるそうです。
   敷金は返して貰えないのでしょうか?


  3年前に家賃6万円、敷金3ヶ月分ということでマンションを借りて入居しました。この度、引越しす
 ることになり、仲介の不動産業者に敷金の返還の話をしたところ、畳、フスマ、壁紙などの張り替え
 費用として10万円位かかるし、絵を飾る為に壁に釘穴をあけており、その下地ボードに傷がついて
 いて、そのボードも交換する必要があるので、それらの費用を差し引いて残りを返しますということ
 でした。そうなると敷金が返ってこなくなるような気がしますが、本当に敷金は返して貰えないので
 しょうか。


A.マンションなどの建物を借りるときに、契約書に「契約終了のときには建物を原状に復して明け渡
 さなければならない」とか、「畳の修繕、障子、フスマ、クロスの張替えの費用は借主の負担とする」
 などの条項が書かれている事があり、明け渡しをするときに家主側から多額の費用を請求され、敷
 金では足りないので不足分を支払って下さいなどと請求されることもよくあります。
  建物の賃貸借契約が終了したときには、借主は建物を元の状態にして返す義務があり、これを原
 状回復義務といいます。しかし、この原状回復義務というのは、建物を借りたときのまっさらな状態
 にして返さなければならないというものではありません。建物内部の畳、障子、フスマ、壁紙などは、
 入居者の使用により時間の経過とともに磨耗したり汚れたりするのは当然の結果として生じます。
  判例では、このような賃貸物件の通常の使用による消耗、汚損はその賃料によってカバーされる
 ものと解されるべきであるとして、畳の修繕、障子、フスマの張替えなどの費用を借主が負担すると
 の特約は原則として無効であるが、その特約に合理的理由が存在し、賃借人が特約の内容を十分
 理解して契約したという事情がある場合には例外的に有効であるとするものが多くあります。
  このケースの場合、契約書がどのような記載になっているか不明ですし、畳、フスマ、壁紙の状態
 がどのようなものか分かりませんが、畳をタバコの吸殻で焦がしたとかフスマの枠の部分を壊した
 とかいった事情がなく、通常の使用による変色に過ぎない場合には、そのやり替えの費用までは負
 担する義務はないと思われます。
  そして通常の使用と認められない使用によって賃貸物件を壊したり傷つけたりした場合には、その
 修理費は借主が負担することになります。先にも述べましたように、タバコの吸殻で畳を焦がした場
 合には畳の修理代は借主が負担することになるでしょう。このケースでは絵を飾る為に壁に釘穴をあ
 けて下地ボードに傷をつけているようですが、これは通常使用の範囲内ということは言えませんので
 その修理代は負担しなければならないと思います。



 賃貸借の保証人について

Q.知人の賃貸借契約の保証人になっています。
  知人が滞納している家賃1年分を払わないといけないのでしょうか?


  7年前に知人から頼まれて建物賃貸借契約の保証人となりました。契約書では賃貸借期間は2
 年間となっていましたが、知人は更新を繰り返していました。
  先日、突然に家主さんから電話があり、知人が家賃を1年分滞納しているので払って欲しいと言
 ってきました。
  1年分もの賃料を支払わなくてはならないのでしょうか。契約が更新されていても責任はあるので
 しょうか。また知人はまだ建物に住んでいますが、これから先の滞納賃料についても支払わなけれ
 ばならないでしょうか。


A.結論から先に言うと、1年分の滞納賃料は支払わなければならない可能性が大きいと思います。
 賃貸借契約が更新された場合に、保証人の責任が継続することについては、法律で明文化されて
 いるわけではありませんが、判例は「期間の定めのある建物の賃貸借において、賃借人のために
 保証人が賃貸人との間で保証契約を締結した場合には、反対の趣旨をうかがわせるような特段の
 事情が無い限り、保証人が更新後の賃貸借から生ずる賃借人の責務についても保証の責めを負う
 趣旨で合意がなされてるものとする解するのが相当であり、保証人は、賃貸人において保証債務
 についても保証の責めを免れないものというべきである」としていますので、更新がなされた場合で
 も保証人の責任を免れることはできません。
  ところで、延滞期間が長期にわたっているにも関わらず賃貸人が契約の解除をしなかった場合に
 は信義則に反するとして保証人の責任が免除されることもありますが、約1年分の滞納では保証人
 の責任を認めた判例があります。したがって、このケースの場合には、保証人としての滞納賃料の
 支払い義務は免れないと思います。
  これから先の賃料についてですが、保証契約は保証人と賃貸人との契約であり、保証人から一
 方的に解約出来ないのが原則ですから、保証契約が存続する以上、保証人の責任は継続します。
  しかし、「期間の定めのない保証契約が締結されて相当の期間が経過し、賃借人がしばしば賃料
 の支払いを怠り、将来においても誠実にその債務を履行する見込みがないにもかかわらず、賃貸人
 が依然として賃借人に建物を使用させて、賃貸借契約の解除や明渡などの措置をとらないような場
 合には、保証人は賃貸人に対する一方的意思表示により保証人契約を解除できる」とする判例が
 あります。
  本件の場合、1年分も滞納しているのに、賃貸人は契約の解除をすることもなく、そのまま済んで
 いるのであるということですから、保証契約を解除することはできると思われます。

  Copyright (C) 2008, Tanaka Law Office. All rights reserved.